Bobby Rushの世界
「次のブルースの授業には、ボビーが来るから、他の先生たちにも伝えておいてね。」
ドクターウッズから、留守電が入っていた。
次の日、授業に行ってみると、いましたーボビー・ラッシュ(Bobby Rush)!

右の黒いトレーナーを着ているのが、ボビー。
左の黄色のシャツを着ているのが、ドクターウッズ。
少し前に、YouTubeで彼のライブ映像を見ていたので、「あぁ本物だ~!」と思ったけれど、結構普通のおじちゃんだった。彼は、ミシシッピ州ジャクソンに住むファンキーブルースマン。彼のYouTubeを見れば分かるけど、なかなかやることが激しい~笑。もう70歳超えてるのに・・・
授業が始まって早々、ボビーはこう言った。
「今回は、別に講義をしにきたんじゃないだ。ただ、これが言いたくてきたんだ。
Dr. Woods, I really appreciate that you have this Blues class.
ドクターウッズ、あなたのこの本当に素晴らしい授業に招いてくださってありがとう。この全米の大学の中で、ブルースの授業をしている大学の教授なんて、まずいない。本当に一握りなんだ。
You keep the Blues alive.
あなたが、ブルースを生かしてくれている。
人々の中には、ブルースは、もう古い。かっこわるい。とネガティブな発言をする者もいる。しかし、ブルースは、現在、君たちが聞いている音楽の源なんだ。HIPHOPも、R&Bも、ロックもジャズもブルースから来た。
If you don't like the Blues, it means you don't like your mom.
もしブルースが嫌いだというのだったら、それは、自分の母親のことを嫌いだというのと同じなんだ。」
ボビーは、エンターテイナーだった。「俺は、俗にいう、まぁ、アルコール中毒だったんだ。刑務所にも行った。」と当時の話をしたり、「太った女が好きなんだ!」と言って大きなパンツを見せてみんなを笑わせたり、学生とハイファイブしたりと、クラス中を巻き込んでいた。
途中で、なにかを手にし、口に近づけたと思ったら、手の中から音楽が聞こえてきた。小さな小さな古ぼけたハーモニカに、足で拍をとり、即興のブルースを歌ってくれた。そして、イスに腰かけギターを手にすると、「あの時、マディー(Muddy Waters)がな、・・・ウルフ(Howlin' Wolf)はその時、・・・それで、BB(B.B. King)のやつ、こう言ったんだよ・・・」と、言いながら、ブルースを歌ってくれた。コール&リスポンス。
私は、何だかとても安心した。なんだちゃ~んと探れてるじゃないかって!HIPHOPのルーツを、アフリカンアメリカンの音楽とダンスのルーツを。気づいたら、そこに自分がいた。本にも、インターネットにも載っていない、肌と肌でしか知れないことをたくさん伝えてもらっていた。
トゥガルーで日本語を教えていることを言ったら、ボビーが、「今年日本にライブしに行くよ!」と言っていた。中国でのライブはかなり多いけれど、それでも日本には今まで26回ほど行っているらしい。これで、帰国した後、ライブ行けたらスゴイよな~!笑
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